ジャノメデオムカイ





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 ぽつぽつと雨がふってる。
 空は青い。せいてんだ、けれど雨がふってる。きつねのヨメイリだねっ。
 ボクはそんな雨の下、ゴキゲンであるいていた。


雨 雨 ふれふれ
かーさんが


 となりに立つおねえさんの手をボクはぐいぐいひっぱった。きつねのヨメイリはまだおわらない。しってるよ、だってヨメイリはこれからはじまるんだもん。 ショウタイジョウはボクがもってるんだ。ボクはおねえさんをアンナイするやくめ。


じゃの目で おむかい
うれしいな


 おねえさんは少しびっくりしたカオをしたけど、わらいながらボクについてきた。
 きっとボクがおもしろいとこにつれていくとおもってるんだ。
 うん、きっとおねえさんにつまらないおもいはさせないよ。でもね……


ぴっち、ぴっち……


 ボクは水たまりの上を走った。おねえさんも一緒に走る。
 人けのないところに入ってもおねえさんはぜんぜんへんなカオしないんだ。ただ、ぼくを見てわらうんだ。うん、ワラウんだ。
 だからボクもワラッタ。たのしくてワラッタ。だってほんとうにたのしいんだもん。


ちゃっぷ、ちゃっぷ……


 ボクたちは走った。まだ雨はふってる、というかつよくなってる。よるがちかづいてきて、夕やけになってきた。よるの藍とひるの名ごりの赤がまざってすご く、いい色になってるよ。それに雨がふってるから空のこぼれおちるヒメイとなみだみたいなんだ。ステキだね。
 ボクのきているふくがぬれてく。ぐっしょり、べたついてまるで体にトリツイテルみたいにべったり。つめたくておもしろい。ちょっとウゴキにくいけど。
 でも気にしないよ。おねえさんだってぬれてるもん。ボクだけじゃない。
 それにね、おねえさんの方がすごいんだよ。ステキなかざりとイッショにぬれてるんだ。あかいあかい、ステキなかざり。ボクにはね、見えるんだよおねえさ ん。
 ボクはワラッタよ。おねえさんといるのはとてもおもしろくてたのしくてたのしくて……













      ら
     ん……























                   ら
                        ん……











                                                               ら
                                                                   ん……



 ボクはカオをユガメテワラッタ。








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